さて米人2人に言わせると、日常生活で聞こえてくるJ-Popに入ってくる英語のフレーズは、時折非常に心の平安を乱すものである、とのこと。今回はこのあたりについて考えてみたい。

そもそも、なぜ日本語の歌に英語のフレーズが入っているのか。まず思いつくのは、
・英語のフレーズを入れることで、かっこよさ、クールさ、おしゃれその他を表現できる。
・日本人が英語に対して憧れに近い感情を持っており、英語のフレーズを入れることで歌詞の格が上がる、といったら言い過ぎだろうが、ともかく、日本語オンリーよりも良くなる、と考えている。
・もう一つ思うのは、洋楽のエッセンスを取り込みながら進化してきたJ-POPは、そもそも英語のフレーズと親和性が高い、なんてことはないかな。演歌のメロディには英語のフレーズは合わないだろうが、J-POPのリズム感は演歌よりも洋楽に近いために、英語のフレーズを入れるという誘惑から逃れられない、なんて仮説はどうだろうか。無理があるか。
・知人から指摘を受けたのだが、英語にすることで表現をあいまいにできる。「愛しています」というよりも「I love you」という方が婉曲的表現である。なるほど。それはあるかも知れない。逆に日本語では言いにくいことを、(婉曲的だからこそ)英語ならストレートに言える、ということもあるかも知れない。

それでは、なぜこういう英語のフレーズが彼らを不快にするのか。彼らと話をしながら考えてみた。
・発音やアクセントがめちゃくちゃ
 先日彼らに聴いてもらった歌は英語圏に向けた歌だったが、日本で流れている歌は日本人に向けた歌。すなわち、英語として日本人に認識されればOKで、それ以上は必要ない。米人にちゃんと伝わるように歌うのも大変なのに、何の努力もしなかったら、そりゃ良く伝わらないわな。
・歌の中に分かる言葉が突然出てくる。それも時には間違った文法で、時にはキュートすぎ(Miss youとか、Stay with meとか、内容がシンプルすぎ、というか幼稚)。例:「すぐに会いたくてもう一度oh baby(西野カナ Dear...)」
・英語だけでは意味が通らない。前後の日本語の歌詞と合わせた一文で意味が成り立つということは何となく彼らに分かるが、それがどういう意味か分からない。(だからよけいに気になる)。これは分かる。ま、実際には必ずしも英語のフレーズと前後のフレーズがまとまって一文になっている、ということはなさそうだ「約束はいらないLove Forever(清水翔太×加藤ミリヤ)」。

Case Study:
全然分からない歌の中に知っている単語が突然出てきて、それが文法的にも変だったらどう思うか。とある日本語の歌で、英語の部分を日本語に、日本語の部分を伏せ字にすると、米国人の気持ちがある程度分かるはず。こういう歌を耳にしたときにどう思うか、みんなで考えてみたい。

XXXXXXXX XXXXXXX
XXXXXXXX XXXXXXX
彼女は美人を持つ 顔 彼女は美人を持つ 顔
XXXXXXX XXXXX
彼女は美人を持つ 顔 彼女は美人を持つ 顔
XXX XXX
ニューヨーク ニューヨーク XXXX XXXXX
ニューヨーク ニューヨーク XXX XXXXX
ちなみに歌詞サイトでは「She has a beauty face」と言っている。「She's a beauty face」と書いてある歌詞サイトもある。どっちにしろ微妙だ。

ところで、英語と日本語を比べると、日本人は英語に対する憧れのようなものを持っているのではないか、それで日本語の歌に英語のフレーズが入る、と書いた。それならば、英語と別の言葉はどうなのか、よく英語と米語は違うと言うが本当なのか。最近は日本のアーティストがアジアで人気と聞くが、だとすると、現地の歌に日本語のフレーズが入っていたりするのか。次回はそのあたり、すなわち歌から見る言語間のヒエラルキーについて調べてみたい。

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「2000年、パフィーは米国テキサス州で行われたロック・フェスティバルSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)に出演した。これは、有望な新人を売り込むショーケース・ギグに類する催しであり、ソニーが擁する日本人アーティストの米国進出のテスト・ケースとして、「本場」のアーティストには見られない個性を持ち、競合を避けられるパフィー達が送り込まれたのである。このSXSWで手応えを掴んだパフィーは、2002年に は初の北米ツアーを行い、ソニーの現地レーベルとカナダのBar/None Recordsから、『SPIKE』の現地版と、ベスト盤である『An Illustrated History Of Puffy AmiYumi』を発表し、一定の評価を得た。2004年には、ツアーを通じてカートゥーン・ネットワークの重役がパフィーの存在を知った事から、同局の『Teen Titans』の主題歌を担当、更にパフィーをモデルにしたアニメ『Hi Hi Puffy AmiYumi』 が制作され、全米で放送された。この番組は低年齢層から高い支持を得て、CN開局以来の高視聴率を記録した。 (Wikipedia)」

2002年「An Illustrated History Of Puffy AmiYumi」は、2曲以外は日本語。「That's The Way It Is/Kore ga Watashi no Ikirumichi」「Electric Beach Fever/Nagisa ni Matsuwaru Et Cetera」など、有名どころが並んでいる。

上記Wikipediaで参考になるところとしては、
・競合を避けるポジションをまず選んだ。Sonyとしては、アーティストありきでなく、米国でいけそうなアーティストとしてパフィーを選んだ。松田聖子がアメリカ進出したいからと、その方法をあれこれ考えるよりは、手持ちのアーティストの中からいけそうな人を選ぶ方が、はるかに自由度が高い。
・いきなりレコード発売等でなく、場所的にもまず限定されたところから始めた。感触を見るという点では、このようなイベントは良かった。だめならCD出す必要もないし。つまりアーティストの選定も含めて、CD出すまではいつでも引き返せる状態で感触を見ている。もしかしたら同イベントには、別の日本人アーティストも試しで参加していたかも知れない(感触良くなかったから出たと言っていないだけで)。
・英語で歌うことを前提としていない(何かを伝えようとしていないとも言えるのか。むしろその無欲さというか、気の抜けっぷりがかえって良かったのか)。

で、これだけでは分からないので、米国Amazonにおける、上記CDへのCustomer Reviewを読んでみよう。「Puffy AmiYumi set the standards of great music」「Puffy Amiyumi are Yummy Yummy!」「Pure Pop Heaven」などタイトルが並んでいるが、その下のコメントをざっと総合するとこんな感じになる;

・曲によって「あ、これはビートルズ」「これはthe Who」みたいなところは皆分かっている。
・彼女らが楽器も演奏せず、自分で曲も作らず、だいたいユニゾンで歌っていることも分かっている(まあそれは誰でも聴けば分かるが)。
・もちろん、日本語で歌っているので歌詞の内容を分かりながら聴いているわけではない。歌詞サイトには英訳詞もあるが、たいした内容ではない。それを言ったら日本語の内容も「どうすんじゃい」的なものが多いが(止まり木にあのハリソンフォード)。歌詞の内容についてのコメントは、Amazonには無いと言って良い。
・がしかし、その雑食的なところをむしろ楽しんで聴いている。オリジナリティがないというコメントもあるが、それよりはそういう様々な要素を取り込んでまとめ、曲としての、あるいはアルバムとしての完成度を高めているところを楽しんで聴いている人が多いようだ。で、曲がともかくキャッチーだといろんな人が言う。

 歌詞の内容はさほど気にせず、曲そのものを楽しむ - なんだ、自分がPaffyの音楽を聴くのと全然変わらないじゃないか。言葉の壁があるのに、日米間で聴き方が変わらない。言語の違いを飛び越えて音楽を楽しめる。これはちょっと驚き。しかし、それが歌なんだ、音楽なんだとも言える。なんと、アメリカで成功するのに、英語を完璧に歌えることは必須ではなかったのだ。

・・・このあたりは、Paffyを米国に送ることを決めたソニーの作戦勝ちのような気がしている。
・こういう元ネタがある音楽は「ああ、あれね」みたいな感じで、オリジナルだけで勝負する純日本的なJ-POPよりも英語圏の人には耳あたりがよい。ドリカムが切々と歌うより、はじめの引っかかりは遙かに多いはず。
・歌詞に強いメッセージが無い、と言い切ったら失礼かも知れないが、さくっと聞ける内容。一生懸命英訳しなくても、音楽そのものを楽しめる。きっとテキサスのイベントでも、英語では歌ってなかったと思う。その方がいいものが伝わるとPuffy側は分かっていた(たぶん)。その後出したCDだって日本語メイン。彼女らの音楽を、英語で伝える必要はなかったのだろう。米国のPuffyファンも、「英語で歌ってくれ!」なんて期待はしていないのでは。ソニーの「この2人はいけそう」に、「英語を喋れる」というのは入ってなかったのだろうな。
・脱力系のデュオというのが今まで米国になかった。J.Loにせよビヨンセにせよ、みんなナイスバディでセクスィーな人たち。彼女らはフェアウエイ上の人たちだが、それにしてもPuffyみたいなのは、ま、確かにいなかったよな・・・。知らないだけかも知れないが。
・そうは言いつつも、アメリカの子ども向け番組とか見るとPowerpuff Girlsとか、Kim Possibleとか、iCarlyなんかもそうだが、みんな脱力している。運命に逆らって努力したり、自分の大切な何かを犠牲にして友を助けたりしてない。そういうアメリカの番組と、Puffyの脱力系キャラはものすごく親和性が高かったのではないかと思う。

と、つらつら考えるに、米国におけるPuffyの成功は、チャレンジというよりは、遙かに確度の高いトライだった、と言ってもいいのではないだろうか。まさか自分たちのアニメができて全米で放送されるとまでは考えていなかったとは思うが、かなり手応えをつかんでのCD発売だったろうと思う。このあたり、2016調査でももう少しヒアリングしたかったが、時間が足りなかった。引き続き話をしてみたいところである。

で、先ほど、SXSWにはPuffy以外にも別のアーティストがトライしていたかも、と書いたが、誰がトライしていたのか、調査してみた。SXSW2000には970のアーティストが参加していたが、SXSWサイトにもリストがなく、個人のサイト等から分かる限りは以下(&その時のレーベル);

Mummy the Peepshow (Benten Label)
Dr. Strangelove(ポニーキャニオン)
Number Girl(東EMI)
Spoozys(Jetset Records)
Lolita No.18(日本クラウン)
Original Love (ポニーキャニオン)
Polysics(DECKREC RECORDS)
Tomovsky(dohb discs)
Love Love Straw(インディペンデント)
Puffy(EPIC)
FEED(PSC)
VELTPUNCH(テイチク)
Rika Shinohara(インディペンデント)
SUPERCAR(dohb discs)

ソニーからはPuffyしか参加してなかった。もっといろいろ参加していると思ったのだが、そうでもなかった。逆に言うと「これはいけるだろ」と出してみた、ということかな。

ところで、2010年に聞いた米人2人に言わせると、ドリカムとか宇多田とかはおいといて、一番我慢できないのは日本の街角で流れている日本語の歌に混じって流れる英語の歌詞なのだそうだ。次回は、そのあたりを詳しく二人に聴いてみたいと思う。

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今回は日本人が米国にでる際の、立ち位置について考えてみたい。トウシロがたった4人に話を聞いた内容と自分の経験だけで勝手に展開する持論。いいのか、こんなに偉そうに述べて。考えてみれば当たり前のこともあるが、何かありましたらご意見頂きたい。

1.英語の方言は、世界中に広がっている。
日本での方言とは、関西弁だったり九州弁だったりするわけだが、世界言語である英語は米国内の南部訛り、Bostonあたりを中心とするNew England訛り、英国内の訛り(あ、こっちが本場?)のみならず、ロシア語っぽい英語、スペインっぽい英語、中国っぽい英語などと、方言が世界中に広がっている。そういう方言を意味する言葉はないかも知れないが、そういう方言、ジャンルそのものは存在する。Japaneesy Englishということですか。

2.英語圏を考えた際に、日本は辺境
主語・動詞の並び方が全く違ったり、LとRの発音がなかったり、文字がアルファベットの系統でなかったりとかを考えると、英語と日本語は大きくかけ離れている。少なくともフランス語やスペイン語からは遠く離れている。言葉が違うと言うことは文化も違うと言うこと。松田聖子であれドリカムであれ、日本市場を制覇した著名アーティストだとしても、米国に行った瞬間に立ち位置は米国市場のフェアウエイではなく、思いっきりラフ、すなわちド田舎から出てきた一人になってしまう。

3.米国の音楽市場は、日本同様、あるいはそれ以上に細分化されている
米国にいた3年ちょっと、ブリトニーが歌っているのをテレビで見たことは一度もない。ヒップホップも見なかった。ティーンズ向けアイドルもだ。どこで彼らを見れるのか分からないが、市場は存在する。日本のヒップホップ系だってテレビで見たことはないが、感触としては米国の方が細分化しているように感じる。ボストン地区のFM局は25くらいある。LAだと30以上あった。日本だと首都圏でもせいぜい5-6局。日本レコード大賞は全部で15部門あるが、グラミー賞は110。いくら世界的に影響力があるといっても110ですよ110・・・。

ケーススタディ:
トンガでもエチオピアでもどこでもいいが、どこか南洋とか、アフリカのとある国で成功した歌手が、日本市場に進出しようと思った。日本で受けるような容姿ではなく、日本語も片言しかしゃべれない。でも日本で成功したい。自分がプロデューサーなら、どうする?どんな曲を歌ってもらう? AKBみたいなの?

・松田聖子は曲を外注して王道狙いにトライ。売れれば大きいが、現在で言うところのアリアナ・グランデとかテイラー・スウィフトとかと真っ向勝負した、ということ。さすがに無理がないか?でも一度でも日本市場を席巻した人が市場のはじっこでニッチにイロモノ勝負を始めるというのは、けっこうプライドを傷つけたりするのでは?と想像(しかもこの人の場合はデビュー当時から超大型新人だったし。)

・ピンクレディーも外注で王道狙い+セクシー路線に振った、日本市場を捨ててまで。でも今回の5アーティストで一番成功した。どういう人がレコード買ったのかな。江南スタイルとか買う人達か。

・ゴダイゴは上記2人よりもギラギラせず、自分たちの歌を素直に歌って市場の反応を見た、という感じかな。

・ドリカムは自分色のメロディに英語を乗せて、声で勝負しようとした。でもこの人の声の良さを生かせる歌が日本的で、(少ないサンプル数とはいえ)外人にはいまいち受けてないような気がする。どうやら、声の良さってのにも国籍があるのかなと。

・宇多田が一番ターゲットを明確に絞って、自分が一番輝ける場所で曲を出した。ターゲットは明確だったが、若干やりすぎてしまったみたい。あちこちのサイトや掲示板で見てみると「すぐにひっかかる、誰とでも寝る日本人」的な意味で歌われている模様。別の曲では「あんたのことなんざ知ったこっちゃない」的な表現もあるそうで、そういう曲調ならば聴いてていい気分がしない人もいるわな。

ところで今回聴いてみた人よりも米国で成功している人がおりまして。Puffy AmiYumi。自分らがキャラクターになったアニメが全米放送。NewYorkのブロードウェイに高さ5メートルの顔看板も貼られた日本人はこの人たちだけだろう。彼女らはどういうところが受けたのか? 次回、また素人なりに展開してみたい。

外人4人に日本人の歌った英語の歌を聴かせ、その反応を見た。結果は前回のエントリーを見てもらうとして、今回はもう少しまとめてみたい。歌の本を見ればどこかに書いてあるのだろうけど、以下は音楽のプロでもなんでもないトウシロが調査の結果、自分で「ああ、そうなんだな」と思ったことである。

大前提 : 歌における英語力とは、発音の良し悪しだけではない。発音、歌詞、メロディの少なくとも3要素から総合的に判断される。

1.発音について:
よっぽどのことがない限り、歌手間でそれほど大きな違いはないように感じた。聖子ちゃんの歌は彼らには一部聴き取りにくいところがあったようだ(よっぽどのこと)が、発音というのは思ったほど大きな問題にはなっていない。歌と言うことで、アクセントや発音はかなりごまかせてしまうのだろうか。ピンクレディーが健闘したのが意外、といったら失礼かもしれないが、ディスコ調で当たり障りのないフレーズの繰り返しで「ボロがでなかった」のではないかなと。ドリカムの、心の内面を歌うようなトライをむしろ評価したい。

2.メロディについて:
受け入れられやすいメロディと、そうでないメロディがあるようだ。今回調べた歌で上位に上がってきたのは、外国人(日本人でないという意味)が作曲した曲が多いかなと。その中ではゴダイゴ大健闘と言っていいのか。一方で日本的な歌は今ひとつだった。限られた曲数ではあるが、これを考えてみると、あくまで仮説でしかないが、

・日本語環境で育った我々/日本のアーティストは、意識しなくても日本語の発音に向いた、日本語的メロディを作る事が出来るし、その傾向がある。
・英語の歌詞があって、それに合ったメロディを乗せようとしても、その癖はそう簡単にはなくならない。逆にちぐはぐな印象を与えたり、聴きにくい歌を作ってしまう可能性がある。
・しかし、だからといって自分が蓄積し、実績を作ってきたノウハウやカラーを捨てるというのは、それはそれでリスクだ。ドリカムからあのメロディを取り去って、吉田美和の声だけを残したとしたら、それはドリカムといえるかな? ドリカムの歌、ドリカム2人とJeff Coplanの間であーでもない、こうでもないと散々議論したんじゃないかなと想像。で、あのメロディが残ったのなら、良かったのかなという気もする。

3.歌詞について:
外注したことになっている曲、あるいは外人とコラボして作った曲、おしなべて自然な印象に取られているというところをみると、やっぱり頼むだけのことはあるんだなあ、というのが素直な気持ちだ。ただそれで、現地の人のメンタリティを刺激するようなものが作れるのかは別問題。「We are love」みたいにあまりにも一般的な内容の歌だと、リアリティが全くなくて共感するところに乏しい。かといって(知ったかぶりをしたりして)ディテールを詰め込むと、かえってボロが出るというリスクが増大する。そのバランスの取り方が(きっと)難しい。ABBAとかは、その辺がたぶんうまかったのではないか、なんて思ってみたりして。欧米文化と日本では越えられない壁があったりするのかも知れない。

で、2010年と2016年で結果が違っていた理由についてつらつら考えるに、
・導入部分の説明、かなり違っていたのかなと。同じ事を喋ったつもりだが、台本を作ったわけでもないし。ABは歌の内容についてもいろいろ言っているが、CDはどちらかというと発音や歌詞の内容について言及している。ABが同じ順位、CDもほぼ同じ順位ということは、きっとそういうことなのかなと。
・外人の年齢や職業なども影響するようにも思う。数字のプロ、形のプロ、言葉のプロ、音のプロなど。
・2010年にイラストレーターで作った解答用紙、データが残ってなかった。手書きで作り直したが、きっと影響出ている。次はグループインタビューのプロに任せて、全員同時に話を聞いてみたい(金なら無いが)。

次回はそういうところを踏まえた、アーティストの立ち位置について考えてみたい。

今回は先頃実施した、C、Dへの同様の調査結果を報告したい。念のため対象曲は以下;
ゴダイゴ 「はるかな旅へ (Where'll we go from now?)」
ピンクレディー 「Kiss in the dark」
松田聖子 「All the way to Heaven」「We are love」
Dreams Come True 「THE FIRST DAY WITHOUT YOU」
宇多田ヒカル 「Easy Breezy」
で、二人の順位付けは似ていたものの、2010年の評価とはがらっと変わってしまったのであった。その理由はともかく、まずは結果とコメントを書いていきたい。

1位 宇多田ヒカル 「Easy Breezy」
「1位と6位はすぐ決まった(CD)」。でも内容的には問題ありなのでは?「いや、言うほど露骨じゃないと思うよ。小学生でも歌うんじゃないか(C)」マジでか?この6年間にアメリカで何があった?「しかし、こんなに英語が出来るのに、なぜこんな内容の歌を歌うのか、というのはある」まあ、引き続きそういう内容ではあるのか・・・。そういう層向けの音楽、ということかな。

同率2位 ピンクレディー 「Kiss in the dark」Dreams Come True 「THE FIRST DAY WITHOUT YOU」
お互いに2位、3位に入れたので同率2位。ピンクレディー安定感あるな。
ピンクレディーについては、「少し笑ったが、歌詞の区切り、メロディーの区切りがちゃんとしている(C)」「曲がディスコ調。シンプル。歌唱力を必要とするバラードでないのがよかったか(D)」。
ドリカムについては、「大人の歌なんだけど、使われている英語が小学生の日記みたいなんだよね。で3位(C)」うーん、手厳しいなあ。「日本らしい歌。英語としてはそうかもしれないが、歌のストーリーが出来ていた。そこを評価したい(D)」「謎の歌詞がないのはよかった。しかし、こういう人の心を歌うような内省的な曲、海外では受け入れられにくい気がするな」そうかな。大ヒットしようと思わなければ、いろいろあるとは思うがな・・・。

同率4位 ゴダイゴ 「はるかな旅へ (Where'll we go from now?)」松田聖子 「All the way to Heaven」
ゴダイゴが予想外の低得点。なぜだ。「発音はダメではない。歌はピンクレディーと変わらない(D)」「謎の歌詞がある。タイトルなども「from here?」であれば一般的なのだが「from now」は見たことない」「全体を見ると、日本の曲らしくはない」「日本の曲らしくはないが、発音を聞いたらピンクレディーの方が出来てた」ええ、そうなの?
松田聖子については「歌詞に謎がなかった。表現が自然。発音が良かったら、1位か2位になった(C)」じゃあ、歌詞やメロディは問題無く、発音だけでここに入った訳ですね・・・。

6位 松田聖子 「We are love」
すぐに決まった理由は?「謎の歌詞が多い。まずWe are loveからしておかしい」「一番発音できてない。RとかTHとか発音できるのは当たり前で、DとTの発音とかもちゃんとできないと。」「表現、リズム、全てにおかしいところがあった」「普段英語を喋っていない人の歌、という印象」むーん。

ということで、前回と結果が大きく違っているので意味がどれだけあるのか分からないが、一応4名にヒアリングした結果のトータル順位としては以下の通り;

1位 ピンクレディー 「Kiss in the dark」ビルボード37位は伊達じゃない?
2位 ゴダイゴ 「はるかな旅へ (Where'll we go from now?)」面目保った。
3位 Dreams Come True 「THE FIRST DAY WITHOUT YOU」健闘した。
4位 宇多田ヒカル 「Easy Breezy」6年前の最下位が痛かった。
5位 松田聖子 「All the way to Heaven」発音さえ良ければ・・・。
6位 松田聖子 「We are love」やっぱ厳しいかなあ。

次回はまとめてみたい。

さて、東海岸出身の米人二人(20代)たちに聴かせたのは以下の6曲。びっくりするほど皆さん、その時の日本を代表するビッグネームである。

ゴダイゴ 「はるかな旅へ (Where'll we go from now?)」
ピンクレディー 「Kiss in the dark」
松田聖子 「All the way to Heaven」「We are love」
Dreams Come True 「THE FIRST DAY WITHOUT YOU」
宇多田ヒカル 「Easy Breezy」
これらの曲に順番をつけさせたら、興味深いことに二人とも全く同じ順番をつけた(それぞれの曲に対する評価もかなり同じ)。ということで以下、1位から並べていく。けっこうばっさり切り捨てているかも知れないが、彼らも特に誰かのファンということではなく、全て初めて聴いた曲と言うことで、バイアスのかかっていない、ストレートな意見だと思われる。ファンの方がおられたら、誹謗中傷ではないという事を了解頂きたい。(A)(B)は彼らのコメント、それ以外は自分のコメント、感想。

1位 ゴダイゴ 「はるかな旅へ (Where'll we go from now?)」
「タイトルの言い回しが変。こんな言い方はしない(A)」「これからぼくら、どこいくの」みたいなタイトルが「どこぼくら いくのこれから」みたいに聞こえたら、確かに変か?変かもな・・・。「歌はいいけど、バックコーラスが変な感じ(B)」「なんだろう、こういう歌、昔聴いたことあるぞ、あ、Steely Danだ(B)」 個人的にはToToの方が、いや何でもない。奈良橋陽子の歌詞は、ちょっと不自然な箇所があったようだが、曲調も手伝って聞きやすいからか、全体には高評価。

2位 ピンクレディー 「Kiss in the dark」
「発音は問題なし、メロディも問題なし(AB)」簡単な歌詞だからだろうか・・・?「歌詞がちょっと変だが、日本人と分かっているからそう思うのかも知れない(B)」「でもけっこうすごいこと言ってるんじゃ(A)」しかし採点を見る限り、外人に外注した歌は、米人2人に対しては、非常に良い成果が出ているようだ。

3位 松田聖子 「All the way to Heaven」
「歌手としてはすごく練習したなって感じ」「しかし歌詞のかなり長いパートを、ずっと聞き取れなかった(B)」「はじまっていきなり「ベイビィ」はないだろう。「ベイベ(カタカナで表記して)」ならともかく (A)」これも歌は外人作。ピンクレディーの歌もそうだが、歌詞・メロディともにすごく歌いやすいように配慮されて作られた歌、という感じだ。「I know, You know, What to do」だけで4小節も使っている。カタカナにすると、「アーイノウーー、ユーウノウーー、ワーーットゥーードゥーーーー」これ、米人に聞かせるにはゆっくりすぎないか。や~る~べ~き~こ~と~は~わ~か~る~で~しょ~、これはどうよ。

4位 Dreams Come True 「THE FIRST DAY WITHOUT YOU」
「歌詞も発音もいいけれど、すごくひっかかるんだよな(J)」「おれも (A)」「ああ、メロディが変なんだ。すごく狭いレンジの音しか使ってない感じ」「すごく伝統的なJ-POPのメロディだ (A)」 確かにこの歌、いかにもドリカム的なメロディだ。日本語の歌詞の方が似合う感じ。この曲の音域が狭いとは特に思わないが(比較するなら、Snow patrol「Chasing cars」なんてラシドレミファの6音しか使ってない)

5位 松田聖子 「We are love」
「この歌を歌ったの何歳の時?」(28歳)「なんつーか、歌詞が簡単でかわいすぎ。ティーンエイジャーならともかく、30歳の歌う内容じゃない (A)」「タイトルWe are loveもちょっと厳しいよね。歌詞の内容はだいたい分かるけど、大人の歌じゃない(B)」なんとなく、心配していたあたりが如実に表れた感じがする。

6位 宇多田ヒカル 「Easy Breezy」
「まず歌詞が良くない。タイトルも「Easy Breezy Japanesy」みたいな感じで良くない。楽しめない」「タイトルは単なる音の遊びだと思うけど、不適切な表現、過激な表現、あるいは間違った表現があって良くない。かえって時代遅れな感じ (A)。安っぽい」発音は問題ないようだが、内容でかなり厳しい点がついてしまった。このアルバムでは宇多田本人が「歌うのが恥ずかしい」と発言している曲もあるらしく、日本人の自分には分からないが、内容的にはかなりやっちゃった系なのかもしれない。(当時)20代の二人にはだめでも、もしかしたらティーンエイジャーにはいける内容なのかも知れない。

それでは次回は2016年にやったC、Dへの同様の調査結果を報告したい。

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今回は日本のアーティスト、ゴダイゴと宇多田ヒカルの英語を米人2名に評価してもらうと書いたが、その前に若干整理をしてみたい。

まず質問内容について、今までの流れから英語の歌がいい悪いには様々な要因がありそうなので、質問事項として以下の3つに分類した。
・英語の発音がなってない/まあ許容できるレベル/全く問題なし
 仮にも歌で何かを伝えるなら、最低レベルの表現力を備えてないと、聴く方も嫌だろう。これは歌い手の問題。
・メロディが英語の発音に則していない/訛りはあるが、まあ聴ける/全く問題なし
 前にも書いたが、「走る」は標準語では「はしる」の「し」にアクセントが来る。こういうことが(気を遣わないでも)分かってて音符を並べていかないと、自然なメロディにならない。これは歌い手よりも作曲者の問題。そういうノウハウが英語圏に有るかどうか、日本人である自分は分からないが、絶対あるはず。
・歌詞の内容がなってない、あるいは意味がない、幼稚すぎ、意味不明/変な内容だが、まあ言いたいことは伝わる/全く問題はない
 翻訳ソフトで英語の歌詞を作る人はいないだろうが、知ったかぶりで変なスラングを使ってしまったりするのも要注意。これは主として作詞する人の問題。英語圏で住んでいたバックグラウンドがなければ、ちゃんと英語の分かっている人がアドバイスするとか、そういう人が作詞する等、配慮が必要。

・ここまでやって問題がなければ、あとは歌そのものの力とか、声質とか、容姿とか、現地でのプロモーションとかが重要になってくる、はず。

次に今回ヒアリングするアーティストだが、ついでなので大幅に広げてみた。ここに書いてある情報は、特記なければ全てWeb上、Wikipediaとか公式サイトとか、Amazonとかから拾ってきたものである。

ゴダイゴ 「はるかな旅へ (Where'll we go from now?)」
ゴダイゴの英語の歌はたくさんあるが、全編英語の歌でないとメロディーに影響があるかもしれない。モンキー・マジックは、「Born from Egg on a mountain top」では「昔 卵 山の上」みたいな、ヘタウマ調の歌詞かも知れないし、今回は遠慮しといた。作詞は奈良橋陽子、作曲はタケカワユキヒデ。奈良橋陽子は父親が外交官で5-15歳までカナダ居住、その後NYCで演劇を勉強したり、英会話学校を設立したり、ハリウッド映画のキャスティング(The last Samurai、太陽の帝国等)をしているとのことで、歌詞は問題なさそう? タケカワユキヒデ氏は東京外国語大学英米語学科卒業だが、特に海外経験はそれまではなさそうである。

ピンクレディー 「Kiss in the dark」
彼女らが全米進出の際に使用した、いかにもなディスコ調の曲。作詞・作曲:Michael Lloyd(マイケル・ロイド)どういう人かは分からず。まさか日本人ではないと思うが。・・・と思ってググったら、ベリンダ・カーライルのデビュー・アルバムをプロデュース、バリー・マニロウとかシナトラとかとも仕事をして、映画Dirty Dancingのスーパーバイザー・・・・実力者じゃないですか。日本以外で世界40カ国で同時発売され、全米ビルボードでは最高37位を記録。これは、「SUKIYAKI」(坂本九)が1位を獲得した以来の40位以内に入った曲とのことだから、決してヒットしなかったわけではないようだ。ロイドさん大活躍。頼んでよかった。でもロイドさんのプロフィールには、ピンクレディーの作曲やった、とは書いてなかった。かなりセクシー路線で売ったため、日本ではイメージを損なうとの判断でほとんど放映しなかった。この人の場合は、発音がどうか、が問題となるのであろうか。

松田聖子 「All the way to Heaven」「We are love」
「All・・」はイギリスのみ発売(どういう層に売ろうとしていたのかは不明)。ベリンダ・カーライルが歌いそうなアップテンポの曲。作詞・作曲はM.Jay(1990なのであのカラオケクイーンは関係ないはず)&M.Gruz。ググっても関係なさそうな人しか出てこない。一方、「We・・・」は作詞:Seiko Matsuda/作曲:鈴木祥子だそうで、瑠璃色の地球みたいなバラード。もとは日本語の歌のようだが、英語への翻訳は本人か?外国の人が日本人に作った歌と、日本人が作って日本人が英訳/英作詞した歌。この2曲を彼らがどう聴き取るか、面白いところだ。「どっちも同じや」なんて言われたら、M.Jay&M.Gruzががっかりするだろう。個人的にはWe are loveというタイトルがとっても心配だ。

Dreams Come True 「THE FIRST DAY WITHOUT YOU」
2004年にネットワーク配信で世界的に曲を発売開始したらしいアルバムから上記の曲をセレクト。はじめはTHIS IS IT! YOU'RE THE ONE! I KNEW IT! - 「うれしい! たのしい! 大好き!」 ENGLISH VERSION -をダウンロードしてしまったが、これだとオリジナルが日本語の歌詞なので、後付けされた英語の歌詞が不自然かもしれない。ということで、新たに英語の歌としてのみ作成された上記の曲とした。作詞は吉田美和/Jeff Coplan、作曲は吉田美和/Jeff Coplan/中村正人。メロディが見事にドリカム節。日本を代表する歌姫・吉田美和の伸びやかな声が彼らの耳に届くのか。Jeff Coplanはググったら、キム・ワイルドのプロデューサー、バハ・メンの作曲者とか、いろいろやってた。で、この人、この歌を出す前に、1993頃にもドリカムと「Osaka Lover」という歌でいっしょにやっていた模様。昔からつながりがあったみたい。

宇多田ヒカル 「Easy Breezy」
出生地がアメリカ。もともと米国でデビューすることを考えていたらしい。宇多田ヒカルの歌は、基本的に日本語+英語のフレーズちょっと。ただそういう歌だと、時折入る英語のフレーズも「日本語的なフレーズ」になってしまっている可能性あり。それで判断されるのも本人も不本意だろうから(大きなお世話)、ここでは米国進出時の「EXODUS」から一曲「Easy Breezy」を選曲。さて、どうなる。EXODUS」は米ビルボード最高位160位。作詞作曲は本人、だと思われる。ただこの曲、サビがあまりにも「宇多田節」な感じがするので、その辺どうかな、と。

・・・以上、長々とアーティストのバックグラウンドを書いたのは、米人たちに判断してもらう際に我々もアーティストの実力値がだいたいどのくらいか、知っておいた方が楽しい、と思われるからである。永ちゃんもロッド・スチュアートと歌ったらしいが、今回はまあいいや(2009紅白で歌詞、間違えてましたね。NHKも焦ったかもしれないが、当方もずっこけたわ!)。カセットテープに「時間よ止まれ」が入っているが、「Ah Pacific」だけじゃ判断つかないだろうし。

ということで次回、実際に聴かせてみたい。ああ楽しみだ。

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2010調査として米人2(中西部(シカゴあたり)出身Aと東海岸(NYあたり)出身B)に、(米国以外の)外タレの英語がどの程度のものなのか、聞いてみた。で、2016にも別の2CDに同様の質問を。いずれも違わぬビッグネームばかりである。こんなところでこんな事されているなんて知りもしないだろうが。

まず、2010調査から。一般的な回答としては以下の通り;

・一部を除き、米国人の発音との違いは見られない。すなわち、歌を聴いて米国人かそうでないかを区別するのは困難。歌としては、ほぼ全員問題ない。(A)
・まあまあ分かるかな。国籍は特定できないまでも、米国人でないことは分かると思う。でも歌としては、ほぼ全員問題ない(B)。

各アーティストについて:
Nickelback (Canada)
・カナダ出身ということを知らなかった(A)。

Coldplay, Oasis (UK)
・UKの発音は、けっこう区別しやすい(AB)。が、英語の一派であることには変わりないからね・・・。

U2, Enya (Ireland)

・かなりアメリカナイズドされており(U2)、全く問題なし。

Rickey Martin (Puerto Rico)

・英語の発音としては問題ないが、あまりにも歌に内容がなさすぎて、感動する余地がない(AB)。なるほど、それで和訳しても「アチチアチ」になる訳だ。大変よく分かりました。

ABBA, Cardigans (Sweden)
・歌としては全く問題なし。喋ったらどうなるか分からないけど(A)

Bjork (Iceland)
・アクセントが強烈すぎる。アメリカの発音ではまったくない。しかし、それが歌詞の内容と相まって、よけいに歌のメッセージを強くしている(AB)。なるほど、カルトな人気を博すのもそういうところから来ているのかも。

JET (Australia)
・歌を聴いたことがない(A)。アーティストそのものを知らない(B)。おかしいな。ボストンでは頻繁にかかっていたけどな・・。

ということで、以下は当方の感想。
・歌よりも喋りの方がアクセントがストレートに現れる。当たり前といえばそうだが、米国でもどうやら同じらしい。韓流の歌を聴いても国籍を当てる自信はないが、会って話せばすぐ分かる(はず)。

・逆に歌は、メロディでアクセントやイントネーションがかなり固定化されてしまうので、アクセントの違いが出にくい。メロディがあるということで、ある程度はごまかせる。
・しかし、ということはだ、歌い手の発音に問題がなくても、メロディの作り方次第ではかえって変な曲になってしまう可能性があるかもしれない。日本人は日本語のトレーニングを長期にわたってしているので、たとえば「走る」という言葉一つとっても、「はしる」の「し」にアクセントを置く(とりあえず標準語としては)ことは誰でも知っていて、メロディを作るときにそれが自然に聞こえるように(意識しなくても)音符を置いていくことができる。しかし、そのへんのセンスが分かっていない人がメロディを作ると、まったく「なってない」歌になってしまう。ということは、Bjorkを除いた今回調査の全員は、そういうセンスを持った人が曲を作ったか、あるいはそういう人のアドバイスを受けながら作った、ということになる(あるいはBjorkがわざと外して作っているか)。
・アメリカにも方言があるし、今回試したアーティストが標準的な英語からどれだけ離れているか、たとえば標準語と関西弁くらい離れているのか、というのを比較するのはここでは難しい。ただし、彼らと話をした限りでは、国土が広くて多人種国家である米国は、方言とか訛りについては日本語よりも寛容なのではないか、という印象を持った。
・面白かったのはBjorkで、なぜか二人とも「いや、別にオレは好きとかじゃないんだけどね・・・」といった態度を取ること。Bjorkの歌を好きだというのは、そんなに勇気の要ることなのか。
・前回のエントリーで出したLene Marlinの歌は、「まあ問題なし(A)」「ちょっとアクセント強いかな。アイルランドっぽいか?(B)」だそうで。

続いて2016調査。別の外人C、Dに同様の質問をしてみた。まあ、前回だいたいのところは分かったので真剣には聞いていないのだが、だいたいこんな感じ;
・基本的に、歌っている時には母国語が何かはあまり分からない。
・はじめに自分的に疑問に思ったLene Marlinも、特に問題はない(あ、そうですか・・・)。
・Bjorkも、母国語が英語ではないのは分かるけど、別に間違ったこと歌っているわけではない。
・・・やはり質問対象がビッグネームすぎたかな。が、このあたりはだいたい前回と同じ。

さあそこで日本人。今までもたくさんのアーティストが世界進出をしようとしてきた。ピンクレディー、矢沢永吉、松田聖子、ドリカム。世界を目指した彼らの英語力というのはどうなのよ、と気になってきませんか。ヒットした歌しなかった歌、その原因は歌なのか、発音なのか。例えばだ、以下の新旧2アーティストあたりはどうだろうか。

ゴダイゴ
70年代後半に人気のあったバンド。「ガンダーラ」「銀河鉄道999」などが有名。5人のメンバーのうち2人は米国人?当時から英語の歌を多くリリース。当時小学生だった自分的には「英語はうまいんだよね?」と思っていたが、実際はどうなのか。

宇多田ヒカル
海外生活が長いようだから英語は問題無いのだろうな。だからといって油断はできない。ちょっと住んでいなかっただけで、「いけてない」感は容易にでてくる。特にスラングとか流行言葉系。たとえば「クラブ行った」と言うだけで「なんだ行ってないじゃん」と簡単に分かってしまう。言葉って怖い。

さて、どうなる。

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このネタ、2010年にもやったのだが、少し進展があったので、それを最大限膨らませつつ、進めていきたい。

音楽業界で世界的に成功しようと思ったら、英語で歌う。これはマストだ。だから世界中のアーティストが英語の歌をリリースしている。しかし「母国語でない英語で歌う人の歌」は、英語圏の人たちにはどう聞こえているのであろうか。どれくらいの訛りであれば許されるのか。ジェロが「あ~ぁ、かわ、のな~がレのyou knee」等と歌ったとしたら、その歌に感動を覚えることはできるのか。

発端はノルウェーの女性歌手 Lene MarlinのPlaying My Game。いわゆる爽やか系ポップで、1999 MTV European Music AwardsでBest Scandinavian artistとして表彰されている。が、聴いたところ、英語のアクセントが「これはちょっとないんじゃないの?」と思われるものだった。発音が、というよりもメロディーと歌詞の組み合わせが。日本人が聴いて「?」と思うくらいだから、実は猛烈に変なアクセントなのではないか。・・・と考えると、「じゃあ英語圏で歌っている外国人の人は、実際どうなのよ?」という質問にたどり着く。

ということで検証。2010年に調査したのは米人2名。で2016年、同じ質問を別の外人2名に実施。もっと30名とかにやれよ?というのはもっともな話だが、アホなことに付き合ってくれるコネがないのです・・・。

彼らに米国ではない国の人が歌っている歌が、米国人の歌と区別できるのか、出来るとしたら受け入れられるのか(感動できるに足るレベルの英語なのか)をヒアリングする。我々は日本人で、英語のニュアンスについては分からない。しかし、彼らなら分かるはず。皆様わくわくしますか。え、しませんか。当方は非常に楽しみである。
それでは、以下が評価に使用した外タレの皆様。我々にとっても外タレだが、アメリカ人にとっても外タレだ。皆さん超メジャーなので問題はないはずだが、とりあえず聞いていこう。

Nickelback (Canada)
骨太なロックで米国では国民的スター(少なくとも2008頃は)。ラジオを付ければ必ず流れてた。当方はCanada出身であることを最近知った。

Coldplay, Oasis (UK)
UKのメジャーどころとして。英語圏の人なのだが、米語・英語の違いとして。

U2, Enya (Ireland)
第一公用語はアイルランド語だが、現地では一部の中高年をのぞき英語が使用されている。Enyaの曲では一部アイルランド語のものもあった、ような。

Rickey Martin (Puerto Rico)
どこの人か知らなかったが、調べたらプエルトリコ出身だった。ちなみにプエルトリコは米国領だが、一般的にはスペイン語が話されているとのこと。

ABBA, Cardigans (Sweden)
北欧系で誰でも知っているABBA。「北欧のシブヤ系(死語)」カーディガンズのプロデューサーであるトーレ・ヨハンソンは日本のアーティストのプロデュースもやっていた(例:原田知世)。

Bjork (Iceland)
熱狂的なファンが多いとも言われるアイスランドの歌姫。どうなのよ。

JET (Australia)
iPodのCMにも使用されたAre You Gonna Be My Girlはあまりにも有名。これも英語圏だが、豪語か。

ということで、結果は次回。しばしお待ちを。

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タイヤを替えてみた

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タイヤとメルメットはケチったらあかん。ということで

ちょっといいタイヤにしてみたが、静かでいい。

車を替えて無くても、別の車に乗っているみたいだ。

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